【中編】営業マンから見るブロックチェーンの世界

ブロックチェーン

前編では、お金(紙幣)について、つらつらと書いてしまった。

ブロックチェーンについて、まだかまだかと待ち受ける人が多いだろうが、ビジネスサイドの人間として(非エンジニアとして)、技術的な解釈について、技術者にどうしても劣ってしまう以上、基本的には歴史的背景などから『なぜブロックチェーンが生まれたのか』を理解し、今後のどのような展開を見せるのかを想像する事は非常に大切になってくると思うし、そこを予言/提言できないと、技術者と対等な関係を築いていく事は非常に難しいだろう。

今回の中編では、いよいよBitcoinであったりブロックチェーンについての話となる。      ただ、技術的な説明は必要最低限に抑えてあるので、その点はご了承頂きたい。

サトシ・ナカモトがBitcoinを通じて提言した世界

サトシ・ナカモトが誰なのかは分からない。以前、シドニーだったかその辺りの人が「私が、サトシ・ナカモトだ。」と言ったそうだが、確か結局違うという事で話が収まったと記憶している。

彼が何者かについては、さて置き、彼は社会に対して一石を投じた。内容はこうだ。

「ある二者が、インターネットを介して、第三者機関を介さず、直接取引をすることは可能なのかどうか」

まずは、この問いがどのような意味を含んでいるのか、前編のおさらいも含めて分解していこう。

第三者機関を介して、取引するという事について

私たちの取引はほぼ全てにおいて第三者機関を通していると言える。

例えば、AさんがBさんに対して、「このプラモデルを1000円で譲ってほしい。」と言ったとする。そして、Bさんは、「喜んで!」と言ったとしよう。

今あなたは、第三者機関がどこにも存在していないように感じるだろう。ただ、『お金(紙幣)』を使っている以上、第三者機関(銀行/国)を介していることになるのである。紙幣は、国(中央銀行)が発行しているものであり、母体であるのは国になるわけである。ゆえに、究極的にこの母体を信用できているからこそ、紙幣制度が成り立っており、間接的にはなるが第三者機関を通しているわけである。

別の例だと、住宅ローンや家を借りる時などの、自己証明についてになる。運転免許所や保険証等の提出を必ず求められるが、我々が誰であるのか?を警察や国が管理しているのである。ゆえに、信用度が高い政府機関等が、僕が僕であることを証明してくれているのであり、その証明こそが第三者機関を介しているという事に他ならないのである。

この様に僕たちの生活の周りで第三者機関を介さず、取引を行うことは難しい状況となっており、この『中央集権』的なシステムを変えようとサトシ・ナカモトが問題提起したのである。
因みに、この中央集権という言葉は、Bitcoinやブロックチェーンを勉強していく中で頻出する単語且つ、非常に重要になる単語なので、概念をしっかり覚えておいてもらいたい。

現在では、紙幣制度/会計制度共にこの『中央集権』システムが一番効率的とされているが、前編で述べたリーマンショックの様な中央集権システムの崩壊も、近年特に露呈しており、且つ膨大なデータが一箇所に集まることで起こるシステムの老朽化(大規模データを扱っているので、システムのリプレイスが困難を極める)のようなハードな問題も出てきてる。

こういった状況(中央集権)のアンチテーゼとして、Bitcoinが生まれたわけなのである。

Bitcoinとブロックチェーンの関係性

Bitcoinとブロックチェーンは、よくセットで話されることが多い。定義が曖昧ではあるので、ここでは、Bitcoin(非中央集権的な紙幣制度)を叶える技術として、ブロックチェーンがあるという事にしたいと思う。
元々は、Bitcoinが注目を浴びていたが、今ではBitcoinシステムを可能にしたブロックチェーン技術が取り分け話題を呼んでいるのである。

ブロックチェーンの簡単な仕組み

ブロックチェーンは、呼んで字の如く、”ブロック”を”チェーン状”に連鎖させてできるものである。
意味が分からないと思うが、下の図を見て欲しい。

全体の構図はこの様になっている。各ブロックは、一つ前の(過去の)ブロックの情報が含まれており、それがどんどん繋がっている状態にある。
<含まれるもの>の中にある3つの要素を1つづつ見ていこう。

  • ハッシュ値とは!?

ブロックチェーンが、高度な暗号化技術によって成り立っている事を耳にした事がある方は多いだろう。Bitcoin上のブロックチェーンは、暗号化をする為に『一方向ハッシュ関数』というものを使っている。ここで詳しい説明するのは避けるが、そもそも暗号化は、元の情報を全く推測する事ができない形の情報(記号化)する事を指し、ここでも『一方向ハッシュ関数』という少々特殊ではあるものの、同じ事をしている。
『一方向ハッシュ関数』からはじき出された値を『ハッシュ値』と呼ぶ。

なぜ、前のブロックのハッシュ値を取り入れるのかについては、最後説明したいと思う。

  • 各ブロックの情報

これは、今回ブロックチェーンに書き込みたい取引情報などを入れる。

  • ナンス値

Bitcoinのブロックチェーンの場合だと、各ブロックからはじき出されたハッシュ値の頭文字数字が『0000…..』となってないといけない!と定められている。
ただ、図の<含まれるもの>の中の”各ブロックのハッシュ値”と”各ブロックの情報”のみだと、『0000….』になる可能性はほぼないと言っていいただろう。
ただ先ほども話した様に、ブロックチェーン上のブロックと認められるには、各ブロックのハッシュ値が『0000….』とならなくてはならない。
なので、各ブロックのハッシュ値の調整の為に、『ナンス値』というものを入れ込む必要がある。

ナンス値を調整役として、ブロックに入ってもらう事で、ブロックチェーンのルールであるハッシュ値を『0000….』にするというところを、クリアできるわけである。

ブロックチェーンの仕組みと非中央集権について

ブロックチェーンの簡単な仕組みと、ブロックチェーン全体構造をある程度知っている人なら、そろそろブロックチェーンと非中央集権がどう結びついているのか、察する人も出てくるのではないだろうか。

ブロックチェーンの仕組みの中でも極めて重要な要素の一つが、『ナンス値』なのである。
では、ナンス値は誰が計算しているのだろうか?

答えは、『一般の様々な人』であり、誰でもこのナンス値を求める事が出来る。
ここで色々な疑問が湧いてくるだろう。

「なぜ、ブロックチェーンを提供してる側の人がナンス値を出さないの?」
解)理由は大きく2つ。
  一つ目は、ナンス値を出すには膨大な計算量が必要になる。
  勿論、ナンス値を出さなくてはいけないブロックも膨大に存在しており、
  いち企業が、それに対応するのは現実的ではない。
  
  二つ目は、後述も加えて認識して頂きたいが、
  運営企業がナンス値を求めてブロックを生成する事は、
  サトシ・ナカモトの定義する非中央集権的なものから離れてしまう。

「一般の人がそんな事をする意味があるの?」
解)ナンス値を一般の人に求めてもらう為に、報酬を設定している。昔のBitcoinの一つナンス値を求めると日本円で600万円だった時代なんかもあったそう。因みに、誰が一般の人に報酬を渡しているかというと、誰でもないのだ。Bitcoinは、需要と供給でその価値が決まっており、あくまでシステムに既にそれが組み込まれているのである。

ブロックチェーンは、なぜ改ざんが出来ないのか

ブロックチェーンにおいては、改ざんの難易度が非常に高い。(現実的にはほぼ不可能。)

例えば、ブロックCの情報を改ざんしたい時、まずは、ブロックCのハッシュ値を手に入れる必要がある。ブロックCのハッシュ値を求めるには、ブロックDのハッシュ値が必要になる。となり、最新のブロックのハッシュ値が必要となってくる。

最新のハッシュ値を手に入れても、膨大な計算でなりたったナンス値の壁がある。この場合ブロックCの情報を手に入れる為には、少なくともブロックD~Fのナンス値が必要となる。(ナンス値を求める事がどれほど難しい事かは、実際にやってみるか、調べてみると良い。)

こういった、ブロックチェーンの特性があり、現実的にブロックチェーンに一度乗ってしまった情報を改ざんする事は不可能と言っても過言ではない確率になるのである。

ブロックチェーンの弱点

ここまでは、様々なブロックチェーンの良いところを書いたが、ここではブロックチェーンの弱点について書いていきたいと思う。中編はこれで最後なので、最後までお付き合い頂けたらと思う。

ブロックチェーンの弱点については、ざっとこれだけある。(他にもあるがだいたい)

  • マイニング(ブロック生成をする事)時間問題
  • プライバシー問題
  • ハッシュパワー問題

もう皆さんもお疲れだと思うので、ザグっと書く。

マイニング時間問題は、前述の通りブロックの生成には人の手が必要なのだが、ブロックチェーンの普及により、このマイニングする人が圧倒的に足りていないという事や、様々な理由から一つのブロックに入れる事のできるデータ量が圧倒的に減ってきているので事などがある。
ブロックを生成しやすくする為に、ナンス値計算やハッシュ値の計算を簡単にしたりしても良いと思うのだが、いかんせんこの部分においては、セキュリティー問題とトレードオフの為、なかなか難しい現状がある事もまた然りなのである。

プライバシー問題は、ブロックチェーンにおいては全ての情報が基本的にオープンになっている為(中央集権にならないよう)、リアルの人物とブロックチェーン上の人が一度結びついてしまうと、その人の動きを常に見る事が出来てしまう。この問題については、解決出来ている仮想通貨もある。

ハッシュパワー問題は、少々難しいのだが、ブロック生成する時のもう一つの前提として、ナンス値を求めた後、ブロックチェーン上にいるマイニングしている人たちの過半数以上の承認を得る事でやっと、ブロックの生成が実現されるわけである。
この場合の過半数の分母は、人数ではなくハッシュパワーと呼ばれる計算速度に比例するもので、権利割合みたいなものを配布されるわけである。
このブロック承認権利割合の51%以上を一人の人間が持つと、それを利用して改ざんが出来るようになるわけである。
ただ、わざわざ周りの目に見える形で改ざんをしないのには経済的合理性が理由で、改ざんを明らかにわかる形でやってしまうと、その仮想通貨市場が信用を失い下降してしまい、マイニングでせっかく得た仮想通貨が無駄になるから。
また、そもそもハッシュパワーを51%以上持つ事自体も現実的には考えずらいのである。

ここまで、ブロックチェーンの問題点に対して記載をしたが、既に解決済みのものが出てきたり、そもそも経済合理性から行われなかったりと、解決してきつつある点も多数ある。

まとめ

中編では、ブロックチェーンの初期〜現在地までの記載をした。
ここには記載しきれなかった内容も多々あり、様々な技術や設計がブロックチェーンには施されており、それが複雑に絡み合う事で、従来の中央集権的な金融市場から、非中央集権的にしていこうという試みが現実のものとなってきているのが、お分り頂けたのではないだろうか。

後編では、ブロックチェーンの現在〜未来のスマートコントラクトについて書きたいと思う。
中編で説明したブロックチェーンは、あくまで過去に起こった事実の記録である。それを今度は、未来起こり得る事をブロックチェーンに書き込もうというのである。

それでは、また。

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